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2018/09/27

【医師監修】顔にできた赤い湿疹は何?大人と乳幼児それぞれの見分け方を紹介

お母さんと赤ちゃん

稲葉岳也医師

監修医師:いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医

自分や子どもの顔に赤い湿疹ができると、心配になる人も多いでしょう。小さな湿疹でも、数日症状が続くと受診したほうがいいのか、このまま様子を見て良いのか悩むはずです。一見、同じように見える湿疹でも、大人と赤ちゃんではその種類や改善方法が異なる場合もあります。ここでは、代表的な湿疹の種類を紹介します。見分けるポイントとしては、かゆみ・痛みの有無です。また、乳幼児の場合は、発熱があるかどうかで湿疹の種類を分けることができます。

顔にできる赤い湿疹の種類と原因・対処方法

考えられる湿疹の種類と、原因や対処法について紹介していきます。その種類は、赤い斑点の症状が「かゆみがないか・痛みやかゆみがあるか」で原因を分類することができます。まず、かゆみや痛みがない場合に考えられるのが、毛嚢炎や老人性血管腫です。そして、かゆみや痛みがある場合に考えられるのが、乾皮症やじんましん、かぶれです。赤い湿疹は見た目にも気になりますが、加えてかゆみや痛みがあると一刻も早く改善したくなる人も多いでしょう。

かゆみや痛みがない赤い湿疹

かゆみや痛みがなくても、病気が隠れているのではないかと心配になる人もいるでしょう。かゆみも痛みもない場合に考えられる赤い湿疹はどんなものがあるのか、その種類について説明します。

毛嚢炎(もうのうえん)

毛嚢炎は別名で毛包炎(もうほうえん)とも言います。毛嚢炎は毛穴にできる赤い斑点のようなもので、毛穴がある場所ならどこにでもできる可能性があります。特に、カミソリなどで毛を処理した後が多いといわれています。カミソリを使うことで肌が傷つき、そこから表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌などが入り込み、大量に繁殖してしまうのです。軽症なら自然に治ることが多い毛嚢炎ですが、悪化する場合は受診したほうが良いでしょう。

老人性血管腫

老人性血管腫は、赤いほくろ・ルビースポットとも呼ばれ、鮮やかな赤色で平らだったり隆起していたりします。「老人性」という名前ですが、高齢になってからとは限らず、思春期からできることもあるのです。老人性血管腫に、年齢はあまり関係ないといわれています。老人性血管腫ができる原因については、はっきりと分かっていません。取り除くには医療機関を受診して、凍結や切除、レーザー治療などを受ける必要があります。

かゆみや痛みがある赤い湿疹

かゆみや痛みがあると、日常生活にも支障をきたす場合があります。かゆみや痛みなどの症状がある場合に考えられる、赤い湿疹の種類について説明します。

乾皮症

乾皮症は別名で皮脂欠乏性湿疹ともいいます。肌のバリア機能を維持するための皮脂が不足して乾燥している状態のことです。乾皮症になると、赤い湿疹が出るだけではなく、皮膚が白っぽくひび割れたり皮膚がめくれたりします。さらに、ひどくなると痛みを伴う場合もあるのです。対処法としては、皮膚の保湿力を高める保湿成分を配合したクリームなどを使用すると良いでしょう。ただし、掻き壊して悪化してしまった場合は、受診して適切な治療を受けましょう。

じんましん

じんましんは、強いかゆみを伴い、見た目も最初は虫刺されに見えます。これを掻きむしってしまうことで、斑点同士がつながり、広がっていく場合もあるのです。そして、数十分~数時間で消失して、再び繰り返すのもじんましんの特徴です。かゆみが強いときは、患部を冷やすと和らげることができます。掻き壊して悪化してしまった場合や、じんましんが広範囲にわたる場合は受診するようにしましょう。

かぶれ(接触性皮膚炎)

かぶれは、接触性皮膚炎とも呼ばれます。アレルギーの原因となる物質に接触したことによって、赤い湿疹やぷっくりとした斑点が現れるのが特徴です。また、水疱を伴う場合もあります。さらに、おむつかぶれや金属などの原因物質に接触していた部分と接触していなかった部分で、症状の違いがはっきりと現れます。軽い湿疹や原因がわかっている場合は市販薬でセルフケアをすることも可能です。しかし、原因不明の場合や、軽いかゆみ以外の症状がある場合は受診するようにしましょう。

水泡がある場合

かゆみや痛みの有無にかかわらず、中に膿や水分を含む水泡ができている場合は注意が必要です。かゆいからといって掻きむしると、広範囲に広がったり人に移ったりする場合もあります。水泡がある場合は、素人判断でセルフケアなどはせず、医療機関への受診が望ましいです。

子ども(赤ちゃん)の顔にできる赤い湿疹

ここでは、乳幼児の場合に考えられる湿疹の種類と原因・対処法について紹介します。赤ちゃんなどの子どもは、赤い斑点に加え「発熱があるかないか」で原因が分類できます。小さい子どもは大人と違って、自覚症状を正しく伝えられないことが多いです。また、かゆみがある場合は我慢できずに掻き壊してしまうこともあります。正確な判断はできないため、早めに受診することをオススメします。

発熱を伴わない赤い湿疹

発熱を伴わない赤い湿疹にもいろいろな種類があるので紹介していきます。それぞれ、湿疹の箇所や細かな症状も異なります。1つ目は、りんご病です。りんご病とは、頬に紅斑が出てりんごのように赤くなる病気です。頬に発疹が出て、体に網目状の発疹が広がっていきます。2つ目は、手足口病です。手足口病はその名前の通り、口の周辺や口内・手足に水疱性の発疹が出ます。3つ目は、とびひです。小さな水泡から始まって、だんだんと膿を持ち、水泡が破れて肌がただれるのがとびひの特徴です。掻いたり水泡が破れたりすることで、患部の周りや離れた場所に広がっていきます。4つ目は、小児乾燥性湿疹です。鳥肌のような小さなボツボツとした湿疹とかゆみが出ます。症状が進むと粉を吹いたような赤い湿疹ができます。

発熱を伴う赤い湿疹

次に、発熱を伴う赤い発疹の種類について説明していきます。1つ目は、ヘルペス性口内炎です。口内の舌や唇などに潰瘍が現れて赤く腫れや痛むのが特徴だといわれています。2つ目は、はしかです。38度前後の熱が出て、その他にくしゃみや咳、鼻水、目の充血などの症状が出てきます。そして、熱が下がると赤い小さな発疹が現れ、再度39度程度の熱が出るのが特徴です。3つ目は、水疱瘡(水痘)です。微熱や倦怠感のような症状が出た1~2日後に、赤くて小さな虫さされのような発疹が全身に現れます。その後、徐々に強いかゆみを伴う水ぶくれに変わって、3~4日後にはかさぶたになり、治っていきます。4つ目は、風疹です。38度程度の発熱があり、首や耳の後ろにリンパ節の腫れが起きます。そして、淡いピンク色の発疹が顔を中心に現れます。
5つ目は、ヘルパンギーナです。38~40度の高熱を出し、喉の奥に水疱ができて痛みが出るのが特徴だといわれています。6つ目は、溶連菌感染症です。38~39度の発熱や喉の痛み、手足に小さい赤い発疹が出ます。また、舌にイチゴ舌と呼ばれる湿疹ができるのも症状の1つです。7つ目は、突発性発疹です。突然38度以上の高熱が出るのですが、熱が高くても本人の機嫌が良いことが特徴です。熱が3~4日ほど続き、治まってきたころに、胸やお腹を中心に赤くて小さな発疹が現れます。

生後2カ月頃までに多い顔にできる赤い湿疹

乳児の場合は、生後1~2週間ころから湿疹ができることがよくあります。また、その原因が分からないことも多いのです。その湿疹の多くは、新生児ニキビや脂漏性湿疹などを総称して乳児湿疹と呼ばれています。肌を清潔に保って保湿ケアを続けていけば、良くなっていくことがほとんどです。しかし、湿疹がジュクジュクして膿んでくると、二次感染で他の部分に移る可能性があるため、このような場合は早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。

顔にできた赤い湿疹は自己判断せずに受診しよう

代表的な湿疹について紹介してきました。それぞれの特徴が分かり、自分がどの症状なのか検討がついたとしても、完全に自己判断をしてしまうのは危険です。数日様子をみても良くならなければ、必ず医療機関を受診しましょう。

監修医師

稲葉岳也医師

いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
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東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。
耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科、内科、アレルギー科を主体とした総合アンチエイジングクリニックです。
レーザー治療、アンチエイジング治療の専門であることから、最新のレーザー機器を導入し、最先端医療を担った治療を行っております。
また、かかりつけ医として、地域への密着を目指したクリニックです。


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