監修医師:いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
頬に赤みがあると、メイクをしても落ち着いたクールな大人の印象になりにくく、あか抜けない感じになったりしてしまうものです。なかなか消えない頬の赤みで悩んでいる人もいるのではないでしょうか。ときには、赤みのある部分がかゆかったりヒリヒリしたりすることもあります。頬が赤くなる原因は1つではありません。まずは、赤みの原因を知り、正しくケアすることが大切です。ここでは、頬が赤くなる原因と対処法、メイクでカバーする方法を紹介します。
頬の赤み・かゆみの原因とは
頬にかゆみがあると、頬が赤くなることがあります。かゆみで頬が赤くなる原因は、皮膚が薄い、乾燥や紫外線、洗顔による刺激、ニキビ、皮膚炎、アレルギー、ストレスなどさまざまです。まずは、かゆみの原因を見つけましょう。
乾燥による炎症
乾燥した肌は、水分が少ない状態で、つっぱったりカサカサしたりします。さらに、乾燥が進行すると皮膚がかゆくなり、肌が赤くなることがあります。その場合の肌の赤みは、乾燥により皮膚が炎症を起こしている状態です。外からの刺激に弱いため、やさしくスキンケアをしましょう。
紫外線による炎症
紫外線を浴びると、日焼けにより頬が赤くなることがあります。日焼けはやけどと同じ状態です。そのため、日焼けをしたら、すぐに肌を冷やして炎症を鎮める必要があります。軽い症状であれば、セルフケアをして様子を見ましょう。
洗顔や化粧品などで皮膚が薄くなることによるもの
皮膚が薄くなると、洗顔や化粧品による刺激によって頬が赤くなりやすくなります。原因は、生まれつきの場合とピーリング、洗顔などで薄くなっている場合などです。皮膚が薄い状態では、ストレスやアレルギーで皮膚が赤くなることもあります。
皮膚炎がおきる原因とは
皮膚炎がおきると皮膚が赤くなります。皮膚炎の原因は、脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビなどです。ここでは、それぞれの原因を説明します。
脂漏性湿疹とは
脂漏性湿疹は、皮脂の分泌が盛んな場所に起こります。原因には、皮脂の分泌機能の異常や皮脂成分の問題、細菌感染などがあります。体調や季節によっても、症状が良くなったり悪くなったりします。症状の改善には、生活習慣やスキンケア方法の改善が必要です。
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎により、頬が赤くなることもあります。アトピー性皮膚炎は、遺伝的な影響が強いようです。家族にアトピー性皮膚炎の人がいると、発症しやすくなるといわれています。症状としては、皮膚のかゆみやかさつきなどです。
ニキビとは
ニキビが原因で頬が赤くなることがあります。皮脂の分泌が多く、肌が脂ぎっている状態で起こりやすい症状です。ニキビは、毛穴に皮脂や角質が詰まり、大きくふくらんでしまうことで起こります。そのため、毎日の洗顔で、毛穴の汚れをしっかりと落とすことが大切です。
頬の赤みを解消するためにすべきこと
乾燥・紫外線・皮膚が薄いことにより頬に赤みがある場合、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、赤みが出たときの対処法を説明します。
乾燥で赤みがある場合の対処法
乾燥で頬に赤みが出ている場合、外からの刺激に弱くなっているため、洗顔やスキンケアは、できるだけやさしく行うことが大切です。洗顔料は刺激のないものを選ぶ必要があります。バリアを壊す界面活性剤を用いずにイオンの働きで潤いを残し、汚れだけを吸着させるふき取りタイプの洗顔料もおすすめです。また、保湿のためにセラミドを含むスキンケア商品でケアするとよいでしょう。適切にスキンケアをすることで、徐々に肌に潤いが戻り、赤みの解消につながります。
紫外線で赤みがある場合の対処法
紫外線で赤みがある場合は、まず赤みのある部分を冷やすことが大切です。ぬれタオルや保冷剤などで冷やし、炎症を鎮めます。軽い日焼けであれば、冷やすだけでも症状がおさまってきます。ただし、症状がひどい場合は、患部を冷やしながらも、できるだけ早く皮膚科に行くべきです。悪化すると水疱ができたり、皮がむけたりすることもあります。皮膚科では、薬を処方してくれます。患部を清潔にし、医師の指示どおりに使いましょう。
皮膚が薄くなった場合の対処法
加齢やストレスなどにより、皮膚が薄くなってしまうと、頬が赤くなりやすくなります。外的な刺激に弱いため、メイクやスキンケアに注意が必要です。対処法としては、できるだけ肌に対する刺激を少なくすること、ストレスをためないことなどが考えられます。
そのためには、化粧品の刺激を感じた場合は、使っている化粧品の使用を中止することです。また、洗顔でゴシゴシこすりすぎないこと、ピーリングを控えることも必要です。化粧品や洗顔により肌を刺激すると、炎症が起こりやすくなります。
ストレスも大敵です。ストレスケアとして、入浴やマッサージなどでリラックスするとよいでしょう。また、アレルギー体質の人は、花粉やハウスダストなどのアレルギー物質が原因となることもあります。そのため、原因を知りそれに合わせた対策が必要です。
皮膚炎がおきた場合にすべきこと
脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビなどが原因で皮膚炎がおきた場合、どのように治療すればよいのでしょうか。
脂漏性湿疹の治療とは
脂漏性湿疹は、軽度の場合はかゆみも赤みもそれほど強くありません。しかし、放っておくと症状が悪化することもあるため、早めに皮膚科で診察を受けることをおすすめします。皮膚科では、ステロイド剤の軟膏やローションを使って治療します。ただし、これらの外用薬は副作用もあるため、長期間の使用には注意が必要です。処方を受けるときには、症状が改善したら使用を中止するよう医師から説明を受けます。使用に関しては医師の指示どおりに行うことが大切です。
脂漏性湿疹は、適切な洗顔や洗髪によって皮膚を清潔に保つことで、予防や改善につながります。また、ビタミンB群を多く含む食材を積極的に摂ると、皮脂を減少させる効果が期待でき、症状の予防や改善にも効果的です。
アトピー性皮膚炎の治療とは
アトピー性皮膚炎は、皮膚科で治療を行います。ステロイド剤の軟膏を使った治療が一般的ですが、免疫抑制薬の外用薬などもあります。ステロイド剤は長期にわたって使用すると副作用が心配なため、免疫抑制薬を補助的な治療薬として使用することもあるようです。免疫抑制薬は、体内の過剰な免疫反応を抑える効果が期待できます。
石けんやシャンプーを選ぶ際には、香料や合成添加物、界面活性剤の含有量が少ないものがおすすめです。また、洗顔をするときに熱いお湯で洗うと、かゆみを感じることもあるため、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。タオルや下着類は直接肌に触れるものなので、できるだけ界面活性剤の含有量が少なく、蛍光剤を含まない洗剤で洗うのがポイントです。
ニキビの治療とは
軽度のニキビの場合は、洗顔や保湿など日々のスキンケアで改善することができます。コツは、できるだけ肌を清潔に保つこと。石けんを使って皮脂を落とすことが大切です。泡はしっかりと水で洗い流し、洗顔後は化粧水や乳液などで保湿します。
ニキビが赤く炎症を起こしている場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。症状に応じて、炎症を抑えるための塗り薬や抗生物質が処方されます。ただし、薬を使っている間も、日々のスキンケアは大事です。正しい治療とケアでニキビをしっかり治しましょう。
頬の赤みをカバーするメイクのコツって?
ニキビや頬の赤みは、メイクでキレイに隠すことができます。ここでは、ニキビや頬の赤みをメイクで消すコツを紹介します。
ニキビをメイクで隠すコツ
ニキビのある肌をファンデーションで隠そうとすると、どうしても厚塗りになってしまいがちです。しかし、コンシーラーをうまく使えば、ファンデーションを厚塗りしなくても、自然な感じでカバーすることができます。
まず、ファンデーションは全体的に薄くのばしていきましょう。次に、清潔なブラシを使って、ニキビのまわりにコンシーラーをのせ、肌との境目を目立たなくします。最後に、パウダーでなじませると、キレイな肌に仕上がります。
頬の赤みをメイクで隠すコツ
頬の赤みをカバーしたいなら、コントロールカラーで赤みのある部分を隠すのがおすすめです。ファンデーションを塗る前に、グリーンのコンシーラーを使うと、赤みが消えて自然にカバーすることができます。塗る際のコツは、血管が出ている部分に点置きして、なじませていくことです。最初は薄めに塗って、少しずつ重ねていくと量が調整しやすく、自然な感じに仕上がります。コンシーラーを塗ったら、あとはいつもどおりファンデーションを塗るだけです。赤みを少し残して、自然な血色を楽しんでもよいでしょう。
頬の赤みの悩みは正しいスキンケアで
頬の赤みの原因には、皮膚の薄さや紫外線、乾燥、皮膚炎などがあります。スキンケアは、セラミドを補いバリア機能を高めることが重要です。また、ある程度であれば、メイクで赤みをカバーすることができます。ただし、頬の赤みや炎症が心配な場合は、早めに皮膚科に相談するとよいでしょう。
いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
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東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。
耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科、内科、アレルギー科を主体とした総合アンチエイジングクリニックです。
レーザー治療、アンチエイジング治療の専門であることから、最新のレーザー機器を導入し、最先端医療を担った治療を行っております。
また、かかりつけ医として、地域への密着を目指したクリニックです。