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2018/09/27

【医師監修】脂漏性皮膚炎の予防は食事の改善から!摂るべき食材と避けるべき食材

包丁で切る

稲葉岳也医師

監修医師:いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医

日頃から気をつけているつもりでも、何らかの原因によって肌トラブルが生じてしまう場合があります。肌トラブルの中でも、やっかいな存在なのが「脂漏性皮膚炎」です。脂漏性皮膚炎の治療は医療機関を受診して適切な処置を受ける必要がありますが、食生活を改善して予防に努めるのも重要です。ここでは、脂漏性皮膚炎が発症する仕組みや原因を踏まえ、積極的に摂取してほしい食材と避けるべき食材について紹介します。

脂漏性皮膚炎の症状

脂漏性皮膚炎は進行の度合いによって、それぞれ症状が異なります。初期の段階では皮脂が多くなり、頭皮付近に大きなフケができるケースが多くみられます。中には毛穴に詰まった皮脂が酸化することで、においが気になる場合もあるようです。症状が進行すると、頭皮の湿疹やかゆみが増加していき、かさぶたのようなものが目立つようになります。その後、症状が深刻化すると、炎症が引き起こされて痛みを感じたり、抜け毛につながったりする恐れがあるため要注意です。

脂漏性皮膚炎の仕組みと原因

脂漏性皮膚炎の発症は「皮脂」と深い関わりがあると考えられています。皮脂が過剰に分泌されると、皮脂を好む真菌である「マラセチア菌」が異常繁殖してしまい、頭皮や顔に炎症を引きおこす原因につながるのです。皮脂分泌は男性ホルモンにより促進されるという説があるため、脂漏性皮膚炎の患者は男性が多い傾向だとされています。しかし、女性でも生活習慣の乱れやストレスなどの要因によってホルモンバランスが崩れ、皮脂分泌が盛んになる場合があります。そのため、脂漏性皮膚炎は男性だけではなく、女性にも発症リスクがあるのです。

脂漏性皮膚炎の改善には皮脂量を増やさないために食事を見直す

脂漏性皮膚炎の悩みを解消するには「食事内容」を見直し、皮脂量を増やさないように工夫するのが肝心です。なぜなら、皮脂量が多いとマラセチア菌のエサが豊富な状態になり、症状が治りにくくなってしまう原因につながるためです。このような理由から、できる限り皮脂の分泌量を増加させる食べ物を避ける必要があります。避けたほうが良い食材と積極的に摂取したほうが良い食材について、それぞれ把握しておきましょう。

避けたほうが良い食材

皮脂の分泌量を増やさないように、避けたほうが良いものには「脂質が多く含まれる食べ物」があげられます。具体的には、「お菓子」「ケーキ」「落花生」「ベーコン」「ソーセージ」「カルビ」「バター」「マーガリン」「マヨネーズ」などです。これら脂質の多い食材を取りすぎると、脂漏性皮膚炎の原因となる皮脂を多く作り出す原因になります。特に、就寝前は吸収率が高まりやすいため気をつけましょう。

積極的に摂取したほうが良い食材

積極的に摂取したほうが良いのは「ビタミンA」「ビタミンC」、それから「ビタミンB2」「ビタミンB6」という4種類の栄養素です。ビタミンAは上皮細胞の正常化に関係しているとされ、牛や豚の肝臓、ウナギなどの食材に多く含まれます。ビタミンCは抗酸化作用を期待でき、ブロッコリーやパセリなどの食材に豊富に含まれます。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持を助けるはたらきがあり、豊富に含まれる食材は卵や納豆、乳製品などです。ビタミンB6は、皮膚炎を予防することから発見されたビタミンという説があり、カツオやマグロなどの魚類に多く含まれます。なお、ビタミンB6は通常の食生活では取りすぎの心配はほとんどありませんが、ピリドキシンのみを長期にわたって大量摂取した場合、感覚神経に障害が見られたケースがあります。

油の種類

食生活の見直しをするうえで、注意したいのが「料理に使用する油」です。私たちが普段料理に使用する油には、さまざまな種類があります。避けるべき油の種類もあれば、積極的に摂取したい油の種類も存在するのです。日常的に使用している油の種類を変えると、肌の細胞の生まれ変わりにプラスの働きを期待でき、かゆみや赤みなどの症状を抑えやすくなる可能性があります。

避けるべき油は「リノール酸」

肌トラブルがある場合、控えたほうが良いとされる油は「リノール酸系」の油です。具体的には、「べに花油」「ひまわり油」「コーン油」などがあげられます。「サラダ油」「大豆油」「ごま油」の摂取も避けたほうが無難でしょう。リノール酸は体にとって不可欠な「必須脂肪酸」ですが、通常の食事で十分な摂取量になるため、心配はありません。料理をする際はリノール酸の油を避け、アトピーなどの皮膚アレルギーに中立だとされている「オメガ9系」のオリーブオイルを使用すると良いでしょう。

積極的に摂りたい油は「オメガ3系」

積極的に取りたい油には「オメガ3系」があげられます。オメガ3系の油は肌の炎症やかゆみ、アレルギー症状などを抑制する作用を期待できるという説があるのです。具体的には、「EPA」「DHA」「亜麻仁油」などの種類があります。さらに、「アルガン油」「シソ油」「えごま油」なども、意識的に摂取したい油です。ただし、オメガ3系の油は熱に弱いという特徴があります。したがって、摂取するときは加熱処理をしないように注意するのが肝心です。油は小さじで1~2杯程度を直接口に入れたり、サラダにかけてドレッシングとして使ったりすると良いでしょう。

便秘は脂漏性皮膚炎の天敵!

脂漏性皮膚炎にとって、天敵ともいえるのが「便秘」です。便秘になると、体外に排出さ
なければならない老廃物が腸内に留まりやすくなり、その結果として善玉菌の減少と悪玉菌の増加を招きます。すると、悪玉菌から発生したガスが血中に取り込まれ、やがて湿疹などのさまざまな肌トラブルにつながるのです。また、腸内環境の乱れは免疫力の低下にもつながると考えられています。このように、便秘は健康状態に影響をおよぼす重要な要素であるため、日頃から腸内環境の改善に努めるのが大切です。

食生活の改善以外に脂漏性皮膚炎の人が見直したい生活習慣

脂漏性皮膚炎を遠ざけるには、食生活の見直しが欠かせません。ですが、食生活を改善したとしても、症状に変化が見られるようになるまでは、時間がかかってしまう場合があります。そのため、食生活の見直し以外にも、生活習慣を見直す必要があるのです。具体的には、「睡眠や休息をきちんととる」「ストレスを溜めない」「洗顔や入浴で清潔を保つ」などがポイントとしてあげられます。

睡眠や休息をしっかりとること

すこやかな肌を目指すためには、「肌の回復力を高める」のが重要となります。そのために、欠かせないのが「睡眠や休息をしっかりとる」ことです。睡眠は肌の回復や修復を行うための大切な時間です。特に、眠りについて3時間は肌のゴールデンタイムと呼ばれ、この時間にしっかり熟睡するのが望ましいとされています。そのために、睡眠の質にも注目する必要があります。良質な睡眠をとれるよう、日中に軽い運動をしたり、就寝前はカフェインの摂取を避けたりするなどの工夫を行うと良いでしょう。

正しい洗顔・入浴で清潔にすること

洗顔や洗髪で肌を清潔に保つのが、トラブル知らずの肌を目指すうえで大切です。ただし、洗顔や洗髪は優しく行う必要があります。なぜなら、顔や頭の皮脂を落とそうとしてゴシゴシ洗うと、必要以上に皮脂が取り除かれ、かえって皮脂量を増やす原因につながるためです。皮脂の取りすぎを防ぐには、うるおいを奪わずイオンのはたらきで汚れだけを落とす作用が期待できる、ふき取り洗顔を行うのも有効です。さらに、乾燥も皮脂を増やす原因につながるため、洗顔や入浴の後は速やかに保湿ケアを行うのがポイントです。また、髪の毛が生乾きの状態だとマラセチア菌が活発になりやすいため、頭皮はドライヤーでしっかり乾かすように心がけましょう。

脂漏性皮膚炎は皮膚科で適切な治療を受けながら食事も改善していこう

脂漏性皮膚炎はさまざまな要因が複雑に絡み合って発症するといわれ、自然治癒は難しいという見方が存在します。そのため、日常的に行う頭皮ケアやスキンケアに加えて、皮膚科での適切な治療を受ける必要があるのです。食生活や生活習慣の見直し、その他のセルフケアなどは、治療と並行して行うと良いでしょう。皮膚科での治療とセルフケアできちんと症状に向き合うと、自信の持てる素肌に近づきます。

監修医師

稲葉岳也医師

いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
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東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。
耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科、内科、アレルギー科を主体とした総合アンチエイジングクリニックです。
レーザー治療、アンチエイジング治療の専門であることから、最新のレーザー機器を導入し、最先端医療を担った治療を行っております。
また、かかりつけ医として、地域への密着を目指したクリニックです。


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