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2018/07/30

【医師監修】脂漏性皮膚炎はすぐ治療!セラミド保湿で予防と改善に努めよう

鏡を見る女性

稲葉岳也医師

監修医師:いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医

美しくつややかな肌は、多くの女性にとって憧れといえます。しかし、どんなに気を付けていても、突然肌の赤みやかゆみなどの肌トラブルが生じてしまうケースもあるでしょう。
なかでも、多くの人を悩ませる肌トラブルに「脂漏性皮膚炎」が挙げられます。やっかいな脂漏性皮膚炎は、なぜ引き起こされてしまうのでしょうか。
ここでは、脂漏性皮膚炎で困っている女性に向けて、主な症状や原因、治療方法に加えて、対策方法や自宅でできるセラミドを使ったお手入れ方法について解説します。

脂漏性皮膚炎の症状と原因

きちんと脂漏性皮膚炎の症状や原因について知っておくのが、すこやかな肌を目指すうえで大切です。原因や症状を把握することで、自分の状況に適した対処をとりやすくなります。
以下では、脂漏性皮膚炎の主な症状や原因について解説していきます。症状と照らし合わせて、当てはまる要素を確認してみましょう。

脂漏性皮膚炎の症状

脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の多い場所を中心に起こる皮膚炎です。症状は炎症やかゆみが生じるのが特徴で、主に頭皮や髪の生え際、耳の後ろなどにできやすい傾向です。さらに、鼻の脇や脇の下などに症状がみられるケースもあります。進行状況によっては皮膚がかさつき、パラパラと細かくはがれ落ちる症状もみられます。また、頭皮に脂漏性皮膚炎ができた場合、フケが多く出やすくなるのも特徴です。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎ができる主な原因は、まだ明確にされていません。ただ、一説としては「マラセチア菌」が、脂漏性皮膚炎に関与している可能性があると考えられています。
マラセチア菌は皮膚の常在菌の1つで、皮脂を遊離脂肪酸に分解する働きを持つといわれています。そして、マラセチア菌により分解された遊離脂肪酸が皮膚に刺激を与え、皮膚炎やかゆみなどの症状を引き起こすといわれているのです。
また、マラセチア菌は皮脂を栄養に増殖するとされ、皮脂分泌が過剰になると脂漏性皮膚炎になりやすいという見方があります。それから、睡眠不足やストレスなども、原因の1つだといわれているため要注意です。さらに、脂っこい食事やお酒の飲み過ぎ、野菜不足なども発症に関与する因子だという説があります。

脂漏性皮膚炎の治療方法

症状がくり返したり長期にわたって続いたりする場合は、病院で医師による適切なケアを受けるのが大切です。病院での脂漏性皮膚炎の治療は、炎症を抑えるためのステロイド薬を使用するのが一般的です。また、症状や状態は人によりそれぞれ異なるため、場合によっては塗り薬と内服薬を併用する場合があります。炎症やかゆみの症状がひどいときは、抗ヒスタミン剤やビタミン剤なども処方されることもあるでしょう。塗り薬は、脂漏性皮膚炎ができている場所によって種類が異なります。頭皮にできている場合はローションタイプ、顔や体にできている場合は軟膏を処方されるのが基本です。

脂漏性皮膚炎を改善するためにセラミドが重要な理由

デリケートな肌を守り、脂漏性皮膚炎の悩みを遠ざけるには「セラミド」を日々のスキンケアに取り入れるのが重要とされています。なぜなら、脂漏性皮膚炎をはじめ、さまざまな肌トラブルを抱えている人は、セラミド不足の状態に陥っているケースが多いためです。
セラミドは表皮の角質層に存在し、細胞と細胞の間を埋める役割を持つ、細胞間脂質の成分です。セラミドは水分を蓄え、外部刺激から肌を守ってくれる重要な役割を持つと考えられています。脂漏性皮膚炎の人がセラミドの配合された化粧品を活用すると、水分量を保持しやすくなり、肌をすこやかな状態に整えやすくなることが期待できるのです。

脂漏性皮膚炎におすすめのセラミドの種類

セラミドと一口にいっても、「天然セラミド」「合成セラミド」「ヒト型セラミド」「植物性セラミド」など、種類は多岐に渡ります。それぞれどのような違いがあるのか、特徴をしっかりと確認しておきましょう。以下では、脂漏性皮膚炎におすすめのセラミドの種類を解説します。

天然セラミド

天然セラミドは、動物由来のセラミドです。原料は主に動物の脳や脊髄などから抽出されたもので、馬などがよく使用されます。天然セラミドは動物由来であることから、人間のセラミドに近く、角質層に浸透しやすいと考えられています。成分表示を確認したときに「ビオセラミド」「セレブロシド」と記載されていれば、動物由来です。

合成セラミド

合成セラミドは石油原料から化学合成されたもので、「疑似セラミド」と呼ばれる場合もあります。大量生産が可能なため安価な傾向にあり、多くの化粧品に使われているのが特徴です。ただ、合成セラミドは安価で手に入れやすい反面、天然セラミドやヒト型セラミドと比べると、保湿力が弱いといわれています。
成分表示に「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」との記載があれば、合成セラミドです。

ヒト型セラミド

ヒト型セラミドは、酵母を利用して生成されたものです。このセラミドは、人間の皮膚が持つセラミドとほぼ同じ構造を持っており、肌にやさしく刺激が少ないのが特徴です。角質層への浸透力が非常に高く、肌の水分保持力を高めるサポートをしてくれます。
ヒト型セラミドには「セラミドEOP」「セラミドNS」「セラミドNP」「セラミドAP」などの種類があります。

植物性セラミド

植物性セラミドは、大豆・小麦・こんにゃくなどから抽出されたものです。植物性セラミドはセラミドとグルコースが結合したものであり、「グルコシルセラミド」とも呼ばれます。特徴には、低刺激で安価なことが挙げられます。また、動物性セラミドやヒト型セラミドに比べると、保湿力が弱く肌との親和性は低い傾向です。
成分表示に「植物性セラミド」「コメヌカスフィンゴ糖物質」などの記載があれば、植物性セラミドと考えて良いでしょう。

セラミドを効率的に補う方法

すこやかな肌を保つために欠かせないセラミドは、化粧品を活用して肌のコンディション維持に努めるのも良い方法です。セラミドを効率的に補うには、「ヒト型セラミド」もしくは「天然セラミド」を選ぶのがおすすめです。ヒト型セラミドや天然セラミドは保湿力や浸透力に優れ、肌へのなじみが良いという特徴があります。浸透性の高いセラミド化粧水を選んで保湿ケアを行うと、不足しがちなセラミドを効率的に補いやすくなることが期待できます。
さらに、セラミドをしっかり浸透させるには、化粧水の付け方を工夫してみると良いでしょう。やり方は、顔全体に化粧水を塗布したら、肌を包み込むようにして手のひらを密着させます。このときに、肌をこすらないようにするのがポイントです。この方法により、肌にうるおいを届けやすくなる期待が見込めます。

脂漏性皮膚炎の予防方法

脂漏性皮膚炎を予防するには、日常生活のなかでいくつかの点に注意するのが肝心です。まず、注意したいのは「顔や頭の皮脂はしっかり洗い流す」ということです。洗顔や洗髪をきちんと行い、肌を清潔に保つのが予防として重要になります。
さらに、「洗髪後は必ずドライヤーで頭皮を乾かす」のも大切です。頭皮が濡れたままだと雑菌が繁殖し、皮膚が荒れてしまう原因につながるため注意が必要です。
また、「保湿を必ず行う」「睡眠をしっかりとる」などもポイントといえます。スキンケアや生活習慣の見直しを徹底し、予防に努めましょう。

病院での治療と並行してセラミドでスキンケア

脂漏性皮膚炎はそのまま放置してしまうと、慢性化や再発を招く可能性があるため、症状に気が付いた段階で速やかに対策をとる必要があります。
病院での治療と並行してセラミドで入念にお手入れをするなど、症状をよく見極めたうえで適切なケアを行いましょう。病院での治療と自身でのスキンケアをあわせて行うことで、悩み知らずのすこやかな肌に近づくことが期待できます。

監修医師

稲葉岳也医師

いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
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東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。
耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科、内科、アレルギー科を主体とした総合アンチエイジングクリニックです。
レーザー治療、アンチエイジング治療の専門であることから、最新のレーザー機器を導入し、最先端医療を担った治療を行っております。
また、かかりつけ医として、地域への密着を目指したクリニックです。


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