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2018/08/01

【医師監修】酒さの原因を徹底解説!効果のある予防策や対処法は何?

悩む女性

稲葉岳也医師

監修医師:いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医

酒さは原因不明の炎症性・進行性の慢性疾患で、特に30代~60代の人に多く発症します。その主な症状は顔の赤みやほてり、ニキビに似たブツブツなどです。特に命に別状はないものの、顔という目立つ場所にこれらの症状が現れることから悩んでいる人も多い病気です。酒さは進行性の病気のため、できるだけ早い段階から対策をすることが大切です。
このコラムでは酒さの症状や原因、効果的な予防法、治療法などについて解説します。

酒さの症状とはどんなもの?

酒さを発症すると、顔面の毛細血管が拡張して顔の中心部に赤みが出ます。ほてりや肌の違和感といった自覚症状を伴うのが特徴です。また、毛穴の周辺で炎症が起こるとニキビに似た小さな吹き出物(丘疹)ができます。
通常赤み、丘疹の順で重くなりますが、両方の症状が一度に出ることもあります。
酒さは女性に多い皮膚疾患で、女性の発症率は男性の2~3倍です。なお。初期の症状は皮膚炎やニキビと似ているため、他の病気と間違われることもあります。

酒さの段階別の症状

酒さは進行性の皮膚疾患で、放置しておくと次第に症状が重くなっていきます。症状の悪化を防ぐためには早めの対策が重要です。
酒さの症状はその重症度から3段階に分けられます。
第I度酒さ(紅斑性酒さ)は、顔に赤みが出て、いわゆる赤ら顔になる状態です。皮脂の分泌量が増え、ほてりを感じるようになります。
第II度酒さ(酒さ性座瘡)になると丘疹ができ、皮脂の分泌量がさらに増えます。
そして、第III度酒さ(鼻瘤)では鼻を中心として皮疹が固まりになり、鼻が大きくなって変形します。ここまでいくと外科的な治療を行わないと完治は困難です。もっとも日本人ではここまで症状が進む人は少ないといわれています。

酒さと皮膚炎の関係性は?

赤みの出るタイプの酒さは、アトピー性皮膚炎など他の皮膚炎と症状が似ています。しかし、酒さは他の皮膚炎とは異なる病気であす。たとえば酒さとアトピー性皮膚炎は合併して症状が現れることはありますが、直接的な関係はありません。
また、酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)も症状は似ているものの、酒さとは直接的な関係のない疾患です。酒さ様皮膚炎はステロイドの長期間連用で起こるステロイドの副作用で、ステロイドをやめれば症状は改善に向かいます。

皮膚に酒さができる7つの原因

酒さが発症する正確な原因は不明です。しかし、考えられる原因はいくつかあり、これらの要素が複数重なって発症するのではないかといわれています。
ここでは酒さの発症や重症化の原因といわれるものを7つ紹介します。

【原因1】遺伝

1つ目は遺伝です。酒さの発症には、生まれつきの体質的な問題も関わっている可能性が指摘されています。原因となる遺伝子はまだ特定されていないものの、白人や色の白い人によく見られることから、遺伝による影響は大きいと考えられているのです。
たとえば、酒さを持つ家族がいる場合の発症率は、そうでない人の4倍以上というデータもあります。家族に酒さになる人が多い場合には遺伝の線を疑うべきかもしれません。

【原因2】紫外線

2つ目は紫外線です。紫外線による影響で皮膚に負担がかかることが、酒さ発症の原因といわれています。
肌のメラニン色素の少ない白人に酒さが多いことから、紫外線による肌の刺激も酒さの悪化因子ではないかと考えられているのです。したがって、酒さの予防・症状改善のためには日頃のUV対策が重要です。
低刺激の日焼け止めを使う、帽子をかぶるなど肌に負担をかけないような形でUV対策を徹底するのが望ましいといえます。外からの刺激に弱い敏感肌の人は特に注意するべきです。

【原因3】顔ダニ

3つ目は顔ダニです。人間の肌の毛穴には顔ダニ(デモデクス)という皮脂を食べる小さなダニが住んでおり、肌の皮脂量をコントロールしています。しかし、皮脂が過剰に分泌され、顔ダニが繁殖しすぎてしまうと肌にとって必要な皮脂まで食べられてしまう、ダニの死骸などに肌が反応してしまう、といったことから、肌が荒れ、酒さを発症するリスクが高まるといわれています。
顔ダニの異常繁殖はニキビや乾燥など、他の肌荒れの原因にもなります。美肌を維持したい人であれば、注意すべきといえるでしょう。

【原因4】気温の変化

4つ目は急激な温度変化です。直接的な発症原因とまではいえないものの、急激な温度変化は顔の赤みを強くしてしまいます。酒さの原因の1つは血管系の異常といわれており、実際に酒さの患者では患部の血流が増加しているという検証結果が報告されています。
暑いところに行ったり、急に寒いところに行ったりすると頬が赤くなりますが、これは気温差による刺激で毛細血管が広がっているためです。通常はすぐに血管は収縮して元の状態に戻りますが、酒さの人では何らかの原因で血管が広がったままの状態になってしまいます。そのため顔の赤みが続いてしまうのです。
症状悪化の原因となりますので、酒さの人は急激な温度変化は避けるべきといえるでしょう。

【原因5】自律神経の乱れ

5つ目は自律神経の乱れです。自律神経が乱れてしまうと、皮脂の分泌バランスが崩れる、肌が荒れる、血液の循環に支障が出るなど体のあちこちにさまざまな悪影響が現れます。こうしたことから、自律神経の働きが乱れると酒さを発症・悪化する可能性があるといわれているのです。
自律神経が乱れる原因となる睡眠不足やストレスには十分注意するようにしましょう。

【原因6】アルコールの過剰摂取

6つ目の要因はアルコールの過剰摂取です。アルコールは毛細血管を拡張する作用があるため、酒さの症状が悪化する原因となります。また、アルコールの過剰摂取を長期間続けると毛細血管が開いた状態が続いてしまい、酒さを発症するリスクも上がると考えられています。
酒さの発症・悪化を予防するのであれば、アルコールの摂取量や摂取頻度には十分に気をつけるべきといえるでしょう。

【原因7】辛い・熱い料理

7つ目の要因は、食べ物です。血行に影響を与える辛い料理や熱い料理は酒さを悪化させるといわれています。もし酒さを発症してしまったら、これら食べ物のとりすぎには注意が必要です。
さらに、全米酒さ協会ではレバーやヨーグルト、醤油、柑橘類、トマト、チーズなどの食材を避けるべきであるとされています。また、体温を急激に上げる温かい飲み物も、酒さにはあまりよくないといわれています。

酒さを予防する方法

一度発症してしまうと辛い症状が出る酒さは、できれば症状が出る前に予防したいもの。特に体質的に酒さになりやすい人は、普段から予防策を徹底することをおすすめします。
食生活については酒さの発症・悪化因子といわれる辛い・熱い食べ物、アルコールの過剰摂取を避けましょう。さらに、サプリメントで体質改善を目指すのもおすすめです。
また、スキンケアの面では、なるべく肌に刺激を与えないことや、肌のバリア機能を高めるセラミドの入った化粧水を使うといった対策が考えられます。

酒さになった場合の効果的な対策方法

もし酒さの症状が出てしまったら、次のようなセルフケアを試してみましょう。
まずは症状の悪化を防ぐために、常に日焼け止めを使うなど紫外線の刺激から肌を保護します。このとき使う日焼け止めは肌への刺激が少ない、紫外線吸収剤フリーのものがおすすめです。
また、保湿剤を使い、肌の保湿ケアも積極的に行いましょう。
さらに、自律神経を整えるために規則正しい生活をすることも重要です。特に睡眠不足は自律神経のコントロールにも、肌の回復力にも悪影響を与えます。良質の睡眠、適度な運動、栄養バランスの取れた食事、と規則正しく自律神経に優しい生活を心がけましょう。

改善できない場合の酒さの治療方法

酒さは皮膚科の病院で治療を受けることもできます。病院でできる治療方法としては塗り薬や飲み薬のほか、血管の赤みを消すためのレーザー治療やフォトフェイシャルなどの治療法があります。しかし、難治性の病気ともいわれるだけに、実際にはなかなか改善が見られないことも多いようです。また、酒さの治療は保健適応外の治療も多く、治療にはそれなりの費用が必要となります。
酒さは生活習慣で悪化することも多い病気ですので、治療にあたっては日頃のセルフケアも重要です。病院に頼るだけでなく、自分でも酒さの予防や改善に努めるべきといえます。自律神経を整える、アルコールの過剰摂取を避けるなど、できる対策は積極的に行っていきましょう。

監修医師

稲葉岳也医師

いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
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東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。
耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科、内科、アレルギー科を主体とした総合アンチエイジングクリニックです。
レーザー治療、アンチエイジング治療の専門であることから、最新のレーザー機器を導入し、最先端医療を担った治療を行っております。
また、かかりつけ医として、地域への密着を目指したクリニックです。


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