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2018/07/31

【医師監修】顔にできた脂漏性皮膚炎を治すには?原因や対策まとめ

脂漏性皮膚炎

稲葉岳也医師

監修医師:いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医

きちんとケアをしているつもりでも、何らかの理由によって肌トラブルが生じてしまうケースは少なくありません。
特に、直接外気に触れる顔はさまざまな刺激にさらされやすく、人によっては「脂漏性皮膚炎」という症状が現れる場合もあります。一体、脂漏性皮膚炎はどのような原因により引き起こされてしまうのでしょうか。
ここでは、脂漏性皮膚炎を招くとされる原因や、対策方法にはどのようなものがあるのか、詳しく解説していきます。

顔にできる脂漏性皮膚炎の特徴とは?

脂漏性皮膚炎は皮膚炎の1つで、赤みがかった炎症が複数現れるのが特徴です。脂漏性皮膚炎は放置してもなかなか治りにくく、慢性化してしまうケースも珍しくないといわれています。症状は顔だけではなく、頭・首周り・胸・背中・ワキの下・足の付け根などにもできる場合があります。症状が軽い場合はただの乾燥肌だと考えたり、頭皮の場合はフケ症だと勘違いしたりする人もいるようです。
症状は皮膚分泌の盛んな場所に多く見られ、もともと皮脂が多い体質の人は、脂漏性皮膚炎になりやすい傾向だと考えられています。

脂漏性皮膚炎はどのような症状なのか

ここでは、脂漏性皮膚炎の症状について詳しく掘り下げていきます。症状をチェックし、自分に当てはまるところがないか、見ていきましょう。

顔が脂漏性皮膚炎になると出るかゆみ

顔に脂漏性皮膚炎ができて炎症が出てしまった場合、その影響でかゆみが発生することがあります。
しかし、かゆみがあるからといって患部をかきむしってしまうと、皮膚にダメージを与える原因につながるため、注意が必要です。

顔が脂漏性皮膚炎になると肌に赤みが出る

脂漏性皮膚炎は進行の度合いにより、症状が変わってきます。症状が進行すると、赤みがかった炎症が広範囲に渡って出てくることもあるようです。炎症箇所は複数になり、頬やおでこなど、顔全体に赤みが出てしまうケースも見られます。

脂漏性皮膚炎で顔から臭いが発生することもある

脂漏性皮膚炎になり症状が進むと、場合によっては加齢臭のような独特の臭いが発生してしまう場合があります。これは、分泌された皮脂に含まれる脂肪酸が、時間の経過とともに酸化するのが原因だといわれています。臭いはなかなか自覚しにくいため、エチケットとして日頃から充分気を付けておくのが大切です。

顔にできた脂漏性皮膚炎が悪化するとかさぶたになる

顔にできた脂漏性皮膚炎の炎症がさらに進行してしまった場合、炎症している部分がかさぶた状になってしまう場合があります。また、かさぶたができるほどに症状が進行すると、人によっては患部に脱毛が起こるケースも見られます。

脂漏性皮膚炎が顔にできる原因って?

脂漏性皮膚炎ができる原因はまだ明確にされていませんが、直接的な原因は「マラセチア真菌」が関係しているという説が存在します。マラセチア真菌とは、皮膚に常駐するカビの1種です。この菌は皮脂や汗などの分泌物が多くなると、その成分をエサに増殖すると考えられています。
また、皮膚にダメージを与えてしまうような「洗顔」のやり方や、肌環境に影響をおよぼすとされる「ストレス」なども要因になり得るとされているため、注意が必要です。さらに、「乱れた食生活」も皮脂分泌に影響を与え、脂漏性皮膚炎を招きやすくなるという見方があります。

顔にできる脂漏性皮膚炎の予防方法

顔にできる脂漏性皮膚炎を遠ざけるには、日常のなかでしっかり予防を行うのが肝心です。予防に役立つ方法には、以下の4つが挙げられます。
まず、1つ目は「食生活の改善」です。食事内容を見直して栄養バランスの整った食事をとるのが、発症を予防するうえで大切です。
2つ目に「肌にやさしい洗顔をする」のもポイントです。きちんと洗顔を行うことで、肌をすこやかな状態に整えやすくなります。
3つ目は「紫外線を避ける」という点が挙げられます。紫外線は皮膚にダメージを与える大きな原因の1つです。日頃から紫外線対策を徹底するように心がけましょう。
4つ目に「睡眠をきちんととる」のも大切です。充分な睡眠時間を確保することで肌の抵抗力が高まり、発症の予防につながります。

顔の脂漏性皮膚炎はスキンケアで対策

日々のスキンケアは、脂漏性皮膚炎対策として欠かせない要素です。肌に負担をかけにくい洗顔や保湿の具体的な方法について、ポイントを確認していきましょう。

洗顔のポイント

顔を洗う際は「38℃程度のぬるま湯」で行うのが基本です。熱いお湯で顔を洗うと、刺激になったり、肌に必要な皮脂を洗い流してしまったりする原因につながるため、要注意です。また、使用する洗顔剤は「刺激の少ない石けん」を選び、よく泡立ててから肌に乗せましょう。たっぷりの泡でやさしくなでるように洗うと、肌への負担軽減につながります。さらに、肌をタオルで拭くときは、軽く押し当てるようにするのが大切です。ゴシゴシとこするようにして拭くと、肌を傷付けるおそれがあるため気を付けましょう。

保湿のポイント

肌を外的刺激から守るためには、「保湿」が重要になります。入浴後は皮脂が洗い流され、乾燥を招きやすい状態です。肌が乾燥するとかゆみが生じやすくなるため、入浴後は必ず保湿を行いましょう。肌をしっかり保湿すると、かゆみなどの症状を遠ざけやすくなることが期待できます。
また、保湿剤を使用するときは、肌に置く感覚でやさしく塗布するのがポイントです。肌をこすったり指で強く押したりしないように注意しましょう。

脂漏性皮膚炎で顔にかさぶたができた場合の対処法

もしも、症状が進行して顔にかさぶたができた場合でも、基本的に食生活の改善やスキンケアを徹底するのが肝心です。
また、かさぶたをはがすと傷跡になってしまったり、菌が侵入して感染症を引き起こしたりするリスクが生じます。そのため、顔のかさぶたが気になっても無理にはがしたり、むやみに触ったりしないことが大切です。

脂漏性皮膚炎を予防する食事方法

脂漏性皮膚炎を予防するために重要なのが、「脂っこい食事を減らす」という点です。脂っこい食事が続くと、皮脂分泌を促す原因につながります。皮脂の分泌量を増やさないためにも、脂っこい食事はできる限り控えるようにしましょう。
予防には「ビタミンB群・ビタミンC」を積極的に摂るのも良い手です。これらの栄養素は皮膚の代謝を助けるとされ、皮膚のダメージ回復を早めてくれる働きを期待できます。ビタミンB群はレバー・牛乳・しじみなど、ビタミンCはイチゴ・ブロッコリー・キウイフルーツなどに多く含まれています。

顔の脂漏性皮膚炎を隠すための化粧のポイント

炎症を進行させないためにはできる限り化粧を控えるのが無難です。メイクをする場合は、下地やファンデーションなどを「厚塗りし過ぎない」ように注意しましょう。厚塗りを防ぐには、グリーン系もしくはイエロー系の下地で、色みを調整するのも良い手です。グリーンやイエローなどの色付き下地を活用すると、赤みのカバーに役立ちます。
また、化粧品は「紫外線対策ができる」ものを選んだり、炎症を起こしている部分には「クレンジング不要の化粧品」を使用したりするのもポイントです。

赤ちゃんの顔に脂漏性皮膚炎ができる原因と対策

赤ちゃんの顔にできる「乳児脂漏性皮膚炎」は、妊娠ホルモンの影響という説があるものの、まだはっきりと原因は解明されていません。なかには、衛生的な問題やアレルギーなどが原因というわけではないという見方もあります。
また、基本的に乳児脂漏性皮膚炎は、数カ月程度で症状が落ち着いてくるケースが多いといわれています。対処法としては、毎日の入浴で「顔を清潔に保つ」ことが重要です。

顔の脂漏性皮膚炎が治らないときは治療が必要!

なかなか脂漏性皮膚炎が治らない場合は、病院で治療を受けるのも一案です。病院では基本的にステロイドの外用薬、顔の場合は軟膏を用いて治療が行われます。治療にかかる時間は人により異なりますが、短期間で症状の改善を目指せる場合もあります。
ただし、病院での治療は最終手段として考え、まずは紹介してきたスキンケアや食事などの対策を実践し、顔の脂漏性皮膚炎の症状緩和に努めてみると良いでしょう。万が一、症状がひどかったりくり返したりする場合は、医師に相談して適切な処置を受けるのが大切です。

監修医師

稲葉岳也医師

いなばクリニック院長 稲葉 岳也医師
資格:医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 日本レーザー医学会認定医
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東京慈恵会医科大学卒業後、2004年に、いなばクリニックを開業。
耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、美容外科、形成外科、内科、アレルギー科を主体とした総合アンチエイジングクリニックです。
レーザー治療、アンチエイジング治療の専門であることから、最新のレーザー機器を導入し、最先端医療を担った治療を行っております。
また、かかりつけ医として、地域への密着を目指したクリニックです。


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